【星子家の本棚】④思春期の子どもたちに寄り添ってくれる名作 3選

2020年4月17日

二学期が始まり行事も目白押し。学校、勉強、友だち…子どもたちの心もいっぱいいっぱいになる時期ですね。ちょっとしんどいな、と思ったときに、ぜひ手にとってほしい珠玉の名作を紹介します。

『カラフル』  森 絵都

画像出典:文春文庫

これは私たち親子にとっての大切な1冊です。自殺やいじめといった重い話題を扱っているのですが、軽妙な文体と展開のテンポの良さでぐいぐいと引き込まれます。

一度死んだはずの主人公「ぼく」。天使の抽選で選ばれ、人生に再挑戦するチャンスを得て中学生・真のからだにホームステイをします。そして家族や友達との問題に直面するのですが…

暗い気持ちになった時も、この本を開くと、「目のくらむほどのカラフル」なこの世界で生きていこうと思えます。どんな世代の人にも読んでほしい、常備薬のような一冊です。

カラフル (文春文庫) [ 森 絵都 ]

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感想(115件)

『きみの友だち』 重松 清

画像出典:新潮文庫

教科書や入試にもその著作物がたくさん取り上げられている重松清さん。親子で大好きな作家さんです。今回おすすめする「君の友だち」は、「友だち」の本当の意味をさがす連作長編です。友だちと和気あいあいと過ごすことこそが何より重要だと思いこみ、できるだけ目立たないようにして周りの人たちに無理に合わせてしまうことがありますね。この本はそんな私に、友だちとは、一体なんだろう、と問いかけてくれます。

主人公の恵美は小学5年生の時、事故にあってうまく歩けなくなったつらさから、「アンタたちのせいで事故にあった」とクラスメートに言ってしまいます。その一言がきっかけとなり友だちが離れてしまいました。物語は、その後の恵美や、周囲の友だちの成長を描きながら進みます。病弱な友だち、優等生や転校生、弱虫に八方美人。あなたにも感情移入できる登場人物がきっとみつかります。「一生忘れない友だちが、一人、いればいい」という恵美の言葉が胸に残ります。

きみの友だち (新潮文庫) [ 重松清 ]

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感想(89件)

『君たちはどう生きるか』  吉野 源三郎 

画像出典:岩波文庫

1937年に出版された、吉野源三郎さんの名作です。みなさんご存じのように2018年には漫画化され大ベストセラーになりました。宮崎駿監督がこの本を原作にして新作映画に取りかかっているという話もあります。
主人公のコペル君は中学2年生。友だちとの関係や社会とのかかわりの中で、多くのことを学んでいきます。お話は、そんなコペル君の日常の物語と、コぺル君の叔父さんが彼に向けて書いた「ノート」とで綴られていきます。

私が特に印象深かったのは、友だちを助けられずに落ち込むコペル君にお母さんや叔父さんがかけた言葉です。「僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。しかし僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。」過ちを犯したあとの心の痛みは、人を成長させるのだよ、と優しく教えてくれます。
誰もが経験するほろ苦い出来事を通じて「人はどうやって生きていくのか」をじっくり考えさせてくれるお話です。 漫画版を読んだ人も、ぜひ原作も手に取ってみてくださいね。

君たちはどう生きるか (岩波文庫) [ 吉野源三郎 ]

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感想(123件)

どれも、大人になっても読み返したい本です。秋の夜長にご家族でどうぞ。

2019.9.14 星子