【星子家の本棚】①スポーツ小説おすすめ本3選

2020年4月17日

私の家のリビングの本棚には、私が幼いころから親しんできた本、子どもや夫の趣味の本が並んでいます。その中からオススメの本をテーマごとに紹介します。

今回は、来年のオリンピックを心待ちにしている人(わたしも含めて)に読んでほしい、青春スポーツ小説です。中高生にも親しみやすい作品で、夏休みの読書感想文の本としても最適な3冊です。

1. 『DIVE!!』森絵都

画像出典:角川文庫

森絵都さんの小説はちょっと切なくて、でもきっぱりとしていて、心情描写が緻密で大好き。思春期の子どもたちにも大人にもぜひ読んでほしい作家のひとりです。あまたの作品から今回は「DIVE!!」を紹介します。

オリンピック出場をかけての少年たちの熱い闘いを描いたこの作品は、小学館児童出版文化賞受賞作であり中学生の教科書にも採用された名作です。アニメや映画で見た人もいるかも。でも、映像だけでなくぜひ小説でこの熱い世界を体感してほしいのです。

存続の危機にさらされているダイビングクラブ再建の条件はなんとオリンピック出場でした。高さ10メートルから時速60キロでダイブして、わずか1.4秒のうちに技の正確さと美しさを競う飛び込みという競技。少年たちの精神力、ライバルへの闘争心、オリンピック代表枠をめぐる駆け引きなどが物語に織り込まれ、ぐいぐいと引き込まれます。

宝塚市は飛び込み競技の有名選手を数多く輩出しています。地元選手たちの東京オリンピックでの活躍を祈りながら、この夏「DIVE‼︎」を読み返したいと思います。

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感想(38件)

2. 『あと少し、もう少し 』瀬尾まいこ

画像出典:新潮文庫

駅伝小説といえば、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」が秀逸ですが、この「あと少し、もう少し」はそれに匹敵する面白さです。舞台が中学校ということもあり、うちの子どもたちにもより身近なお話です。リーダー、元いじめられっ子、不良、文化系、愛されキャラ…個性豊かな登場人物たちが中学校生活最後の駅伝大会に挑みます

お話は、レースの様子と、選手それぞれの生い立ちや気持ちとを並行させながら語られていきます。どんな子にも、見かけだけではわからない複雑な心理状態があります。中学生男子独特のこころの揺れや苦しみが生き生きと描かれていて、母親目線で読んでも胸にぐっときました。また、全く畑違いの陸上部の顧問をすることになった美術教師、上原先生の奮闘ぶりを、子育て中の自分と重ねて応援したくなりました。

瀬尾まいこさんは「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞し、今最も注目を集めている作家の一人です。その魅力は読みやすい文体と優しく温かいストーリーですね。この「あと少し、もう少し」もスポーツ小説でありながら読んで癒やされる一冊です。

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感想(7件)

3.『雲は湧き、光あふれて』須賀しのぶ

画像出典:集英社オレンジ文庫

夏と言えば、高校野球ですね。夏の甲子園大会は昨年100周年を迎えました。球児たちの泥と汗にまみれた懸命な姿は私たちを感動させてくれます。 そんな球児たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集「雲は湧き、光あふれて」。そう、この題名、夏の全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠はキミに輝く」の一節ですね。

3作からなるこの小説、1作めは、「ピンチランナー」というお話です。主人公須藤のチームメートである超高校級スラッガーの益岡が、最後の甲子園予選を前に腰を故障。懸命のリハビリの結果、なんとか一打席なら試合に出られるまで復活します。すると監督は益岡を代打で起用し、さらに補欠の須藤を益岡専用のピンチランナーとしてベンチ入りさせると決意し二人に告げます。野球のベンチ入りメンバーの数は限られているのに、たった一人のためだけのピンチランナーとして、大切な選手枠を奪っていいのか?と須藤は悩みます。須藤と益岡は感情をぶつけ合い壁を乗り越え、チームを勝利に導くために心を一つにして地方大会に挑みます。

この小説では、球児たちの友情、嫉妬、ライバル心、そして一体感をいきいきとした文体で描いていきます。他の2作も甲子園をめぐる意欲作です。この小説を読めば今年の高校野球はまた違った角度から楽しめそうです。

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感想(3件)

さあ今年の夏休みは、図書館や書店で素敵な本たちと出会ってくださいね!

2019.7.18 星子